地球上の生命の生存に欠かせない酸素を供給する森林や、地球の気候を調節する海洋は、人類の生存と経済活動にとって不可欠な「生態系サービス」を提供しています。しかし、こうした生態系に対する気候変動や生物多様性の減少の脅威は益々大きくなりつつあります。生態系を守りつつ適切にそのサービスを利用するためには、まずその健全性を正確に評価する必要がありますが、従来の手法にもまだ改良の余地があります。例えば、衛星データを用いた土地被覆や植生の情報をもとにした生態系サービスの可視化は広く進められ、生態系や生物多様性の評価に利用されていますが、森林内部の複雑な構造とそこに生息する生物の多様性や、沿岸域の海中の構造や生物群集の複雑さなど、生態系の頑健性をもたらす基盤的な情報はまだ十分に反映されていません。
本プロジェクト「生態系サービスの持続的利用を目指す―ブルー・グリーンシステムサイエンス研究拠点―」は、「ブルー・グリーンシステムサイエンス」という新たな分野を開拓し、自然界に対する理解の深化を目指すものです。その手法のひとつとして、最先端の生態学と情報科学を融合させ、森林(グリーン)と沿岸海洋(ブルー)の複雑な3次元構造を解析する方法を開発します。北海道周辺の森林と海洋を皮切りに、最新技術を用いて海洋生物の精密なモニタリング、個々の樹木の健康状態の記録、森林全体のCO2吸収量の算出を行う計画です。これらの革新的なアプローチにより、種組成から生息空間まで、生態系がどのように機能し環境変化に対応しているかをモデル化することを試みます。
また、複雑な環境データを世界中の専門家とともに管理・分析・共有するための情報インフラを構築します。このオープンな枠組みにより共同研究を加速させ、研究成果の実用化へ繋げます。最終的には、自然が人類にもたらす恵みを正確に定量化できる強力な情報プラットフォームを構築することで、政策立案者や社会が情報に基づいた意思決定を行うことを可能にし、地球の未来のために真の意味で持続可能な計画の策定に貢献することを目指します。
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プロジェクトメンバー

研究分担者
University of Massachusetts Boston
Associate Professor
